2020年10月22日(木)に19時~22時で組織戦略勉強会を開催しました。
当日は、組織戦略の考え方について今野誠一から話題提供、問題提起をさせていただき、ご参加の皆さんにブレイクアウトルームを使ったグループで意見交換していただきました。
■今野誠一プレゼンテーション「組織戦略について①」
■意見交換①(ブレイクアウトルーム)
■今野誠一プレゼンテーション「組織戦略について②」
■意見交換②(ブレイクアウトルーム)
ここでは、当日の今野誠一プレゼンテーションの「組織戦略について①」「組織戦略について②」の概要を掲載いたします。
今野誠一:組織戦略について①
組織戦略のコンサルティングにシフトした理由
■コンサルティングを始めた頃は人事コンサルだけ(個別コンサル)やっていた
✓人事制度を作る仕事
✓会社の人事課題をまとめてレポート
✓採用の作戦を立て代行する
✓研修の講師
✓企業理念等の上位概念の構築 etc….
人事関連の個別コンサルティングの仕事は、会社を大きく変えることに繋がらないことを実感し、上位の戦略にシフトするようになった。
クライアントの組織戦略がうまく機能していなかった理由
■企業の人事部の問題点
・採用・教育・企画・労務が専門分化していることが多い
・上手く行っている他社の真似をしている(グーグル)
・この道何十年という方が多い
┗聖域になってしまいがち
・事業のことをご存じない方が多い
■部門の管理職の問題点
・人事のことは「人事にの仕事」と任せきり
・実務偏重で組織と人のマネジメントが疎かになりがち
・組織マネジメントの成功体験が共有されない
■経営の問題点
・事業戦略と組織戦略が連動して考えられていない
問題点を克服し、成果を上げて来た4つの取り組みの紹介
・組織関連用語の定義のシンプル化
・一枚戦略書を作る
・GOOD&MORE分析
・管理職が経営者になる
■組織関連用語の定義のシンプル化
・経営とは、意思をもって計画し実行すること
・意思を持って/計画し/実行する、の3つに分かれる
それぞれが非常に重要。
・意思のないモノマネ経営/計画が弱い行き当たりばったりの経営/実行力が低い絵に描いた中期経営計画が多い
・戦略とは何か?
┗計画と実行を「勝てる」ものにすること
・だとすれば組織戦略も「勝てるもの」でなくてはならないのに、他社の物真似をしている
・商売は差別化するのに、組織は差別化せず他社の真似をするという不思議な現象が起きている
このように定義を究極までシンプルにそぎ落とすと、大切な本質が見えて来る
■一枚戦略書(事業戦略+組織戦略)を作る。
●組織戦略とは?
事業戦略の実行度を上げるために組織能力を上げること。
●重要な留意点
・組織戦略の拠り所は「事業戦略」である
・人事の仕事は「部分最適」になりやすい
・組織に関する全ての要素は、有機的に結合している
〈事業戦略と組織戦略が一目で分る一枚戦略書を作ることが有効>
●作り方
①事業戦略をデフォルメする。
「社長、あなたの会社の事業戦略を3つで喋ってください」
②組織戦略を「事業戦略の加速と実現のために」という観点で見直す。
「事業戦略を加速と実現のために」を枕詞に考える
③事業戦略と組織戦略を一緒に見られるようにする。
┗人は3ページ以上の資料をいっぺんにみられない
④可能な限り、中長期のビジョンを立てる
┗社員教育にもなる
⑤皆でディスカッションする
→ 事業戦略に対して、現状の組織を分析し、これからの組織戦略を決め、中長期のビジョンを作っていくということ
●一枚戦略書のメリット
・事業戦略の核をみながら、組織戦略の内容を確認できる
・リーダーが全体像を俯瞰できる
・経営チームの一枚岩化に貢献する
・スタッフの最高の教育になる
(ある会社の実例→省略)
●一枚枚戦略書の原点は?
・バランススコアカード
・独立起業する時に作った一枚人生企画書
・高橋憲行さんの一枚企画書塾で学んだ
・人生の現在・過去・未来を一枚で「俯瞰」すると見えて来るものがある
●一枚企画書のメリット
1枚にすることで・・・
・本質を考える(一番大切なこと)ことができやすい
・俯瞰して見る癖がつく
・複雑なことを一枚にするのは実に難しいため、考える訓練になる
┗難しいことをやらないと人は鍛えられない
●「人生企画書研修」というプログラムも好評をいただいている
① 過去年表を作る
②ターニングポイントを振り返る→成長のポイント
③人脈をはじめ資産を棚卸する
④コーチングし合って、将来の理想の姿を考える
⑤将来像と未来年表を作る
⑥全てを1枚で俯瞰できるようにする
■組織戦略の現状をGOOD&MOREで分析する
一枚戦略書の肝は・・・
・事業戦略と組織戦略をセットで考えることに加え
・GOOD&MOREの視点で組織の現状を分析すること
・拠り所がないGOOD&MOREは意味がなし
・拠り所は事業戦略である
●GOOD&MOREとはなにか?
・理想の姿に対しての現在地を把握して、1個ずつあげていくこと。
・ダメ出しをして諦めることではなく
・うまくいっていることを見つけてそれを増やす!
・責めのマネージメントはご法度
■管理職が経営者になる。
・管理職が一枚戦略書を作る。
・管理職を管理する人ではなく、ミニ経営者と考える
・管理職が組織をマネジメントして、事業戦略を実行する
・ほとんどの管理職が、マネジメントよりも事業にばかり意識が行っている。
■第一部のまとめ
・組織に関する用語をシンプルに定義し直して本質を考える
・事業戦略と組織戦略を一対で考える
・一枚戦略書をつくることは有効
・原点は「一枚人生企画書」
・ひたすら「一枚にする」ことの効果
・GOOD&MORE分析は有効
・管理職を経営者として見る
今野誠一:組織戦略について②
■戦略の拠り所を「競争優位」におく
戦略の拠り所には2種類ある。
・昨年の自分たち(前年比)。
・ライバル
本来は「ライバル」を拠り所にすべきであり、経営で一番大切なのは「競争優位」である
ましてやコロナ禍で多くの業界でお客様が激減している。
今こそ、「選ばれる」根拠である「競争優位」が重要
生き残りをかけて競争優位をもう一度見直そう
●競争優位の性質
会社が大きくなってくると
・「競争優位」が曖昧になるか、ひどい場合には無くなる
・事業を回しているうちにこだわりが薄れる
・事業の多角化でフォーカスが甘くなる
・幹部が増えて来ると一人ひとりの認識がズレてくる
●3つの種類の「競争優位分析セッション」を行っている
①経営チームでの競争優位セッション(認識合わせ)
②業務フローGOOD&MOREセッション
┗商売上のサービスだけじゃなく、仕事のやり方も競争優位になる
③全社の業務の見直し
●個人にとっての競争優位も重要
・君は会社から「選ばれる」人間か
┗唯一無二を持っているか?
┗人より得意なことは何か?
・「メンバーシップ型」から「ジョブ型」への移行が進んでいる
・個人が選ばれる時代が来てしまった。
・ジョブ型
欧米の標準形。仕事・役割が先。それに会う人をオファーする。
・メンバーシップ型
日本は新卒一括採用。ジェネラリストを育てて仕事をあてがう。
・自分を再発見する!ことが必要
・自分の得意を見つける(その人がその仕事にふさわしいかがシビアになる)
・それを唯一無二に磨く
・自分マーケティングシステムをつくる
・新しいファンを増やす(社内外で)
・自分から動かないと人間関係は希薄になる流れ
・大きく発信を始めることが必要
●今こそ過去を振り返って見る時
・未来を考えるだけではだめ
・人生企画書のススメ
■第二部のまとめ
・「生き残り」「選ばれる」ことに必死になろう
・事業戦略も組織戦略も核を「競争優位」に置く
・「競争優位を磨くために」という観点で全てを見直す
・個人も「競争優位」が必要な時代
・自分を再発見してマーケティングが必要
・人生企画書のススメ → 輝ける瞬間をもう一度